この本を読んで
私はがぜん
発酵
に興味が湧いてきました
この人
人生の、あるタイミングで発酵に開眼し👀
とはいえ現在まだ30代!
そして
今までの自分のキャリアをすべてそこに集結させてしまった。
デザインの才能も
文学や技術者としての才能や持って生まれた知性をすべて合わせて
熟成、発酵させて出来上がったのがこの本!という感じ
ただの発酵の説明にとどまらず
もうまさに
人類学に昇華させちゃってます
笑っちゃうくらい壮大な捉え方なんです
例えば
発酵作用というのは、
人間の存在と人間のはたらき
と同じなんだと。
発酵作用を繰り返す
ヨーグルトのもとの乳酸菌、パンをふっくらさせる酵母などの細菌、
味噌や醤油、日本酒に必要な麹などのカビは
ただただ無心に糖を栄養にして人間に有益な物質をただただ排泄していて
その排せつ物が、たまたま人間に有益だったということで重宝されるけど
彼らはただただ無心に働き、死んでいく
それらを美味しい美味しいと体に有効利用した私たちは
その最後に自然界の中で有用なものとなって自然にかえっていく。
つまり
死んで大地の栄養となる。
細菌たちごりっぱ!となりそうだけど
この一生は
私たち人間にも共通点がある
ここが面白いところと思いました。
私たちが生きる(働く、動く)ということはよくよく考えてみると他者とコミュニケーションし続けるということで
絶えず誰かと何かを交換したり、やり取りしたりしている
物であったり、情報であったり、サービスであったり、お金に関わることばかりじゃない
それは見えない誰かが相手になってるときもあるし、時間を超えてのやり取りもある
ヒラクさんは
人間が、なぜコミュニケーションするのかという問いには答えはなく
コミュニケーションすることが人間なのだ
コミュニケーションのの輪を途切れさせないために私がいるんだ
と、人類学者の言葉を引用している
これって
人生における主語が「私」から外れ
コミュニケーションの環の歯車的が「私」であり「私の人生」なんだと言っているってこと。
(だいぶはしょって説明していますが・・・)
つまり
ただその円環の中に存在するという意味で
人間も菌やカビも同じなんだといってる
人間には無心さにはないけどね
ただ
発酵は人間が編み出した「遊び」である、といってもいる
発酵に気付いた人間は実に豊かな存在なんだ!
私は勢いづいて
ヒラクさんの引用の本を借りてきた
遊びたいしね。
優れた醸造家(酒つくりの達人、味噌や醤油のこだわり職人)は
自分が何かを作っているというより
自然の力を引き出すお手伝いをしている
という感覚を持っていると感じるのだそうです。
発酵への畏敬の念がそうさせているんですね
これは
自分の仕事観とも通じるものがあります。
ああ
仕事のことにも触れてるところがありました
働くって
それを通じて何に気付くのか
それを通じて自分の世界を豊かにしていくプロセス
だから
やっぱり
社会の中のコミュニケーションのひとつなんだ、って。
確かに
この本は私への贈与というコミュニケーションになってます!!
そしてそして
発酵は、自然からのギフトなんですね
このギフトは、人間がその力に気づいたから人へのギフトになりえたもので
そして
ギフトを受け取る側(役に立てている人間)があって成立するもの
だから
受け取った瞬間
つまり
私たちが口に含めて「美味しい」
といった瞬間に
そこに
発酵が存在、成立するって!
もう
拍手!!です
これほどまでに熱く発酵をとらえた本を私は知りませんでした
発酵が教えてくれる円環
その
人類学的な相関
もうちょっと追求してみます
と
塩こうじがいつになく大事に思えてきました
麹くんありがとー
もうすぐ完成です