脳の働きを知ると得になることがあります

ポッドキャストで

京都大学名誉教授の乾敏夫先生の話を聞きました

とても興味深かったのでここにシェアします!

 

感情は脳で作られる!

感情を露にするってなんだか恥ずかしいことのように感じることがありますが

感情を持つことにはには意味があります

それは

⓵自分で、今自分がおかれた状態を知ること

不快なのか快なのかがわからないと身の危険が防げませんよね

②(表情などで)他者のおかれた状態がわかること

感情は自分を確かめ、他者を理解するために必要なものなんですね

では感情はどのように起こるのでしょうか?

 

脳は推理する

私たちはなぜ胃が痛いとわかるのか?

それは

胃が痛みを引き起こすのではなく

胃から送られてくる信号を基に脳が内部の状態を推測しているから

痛みは

自律神経を通して胃からの信号を受けた脳の推測反応なんですね

私たちはなぜ世界を見る事が出来るのか?

実はこれも

網膜からの感覚神経を基に見えるものを脳が推論しているから。

つまり

身体の内的環境も外的環境も脳は推論しているのですね。

これは

唯識(ただ識るという働きのみがある)に通じるものがあります

 

感情は主観的なもの

そこで感情の出来上がり方なのですが

2つの働きに要因があるのです

 

⓵身体の内部の状態を脳が推論する

何かのはたらきにより

心臓がどきどきする、胃が痛くなる、手に汗をかくなどの身体反応が起こると

身体の内部で変化が起こっていることを脳が推察します

ああ、心臓の動きがいつもと違うなあと。

その上で

②なぜそのような身体状態になったのかの原因を脳が推論する

このことで感情が勃発するのだそうです

これはかなり主観的な反応ですよね

ドキドキするのはなぜか?

恐れかもしれないし、緊張感かもしれないし、好き、だからなのかも!?

ドキドキを感じて、その後でその反応に見合う理由を脳が予測して感情となる。

⓵②のすり合わせが行われているのだそうです

 

感情のスタートは

何らかの変化に反応した体を脳が感知することから始まるんですね

内臓は感情発生の先回りをしている

ここも面白いところです

 

さて

身体の状態がわかる人は前向きであることが多いようです

調子がいい時もそうでない時も

内臓からのボトムアップをとらえて

なおかつ

脳で行うその感覚に対する推論の解釈、予測を間違わないこと

このギャップ、誤差がないほうがいいようです

内部からの信号を過大信号にとらえたり

はたまた

内臓状態を無視し過ぎないこと

ギャップをモニターしているところが脳にはあって、これがうまくいかないと精神的な疲労に、寝ても治らない疲労になるのだそうです

 

運動も脳の推測と反射で起こる

ここも面白かったところですが

運動時、例えばとても簡単に

コップをとろうとするとき

コップを持ったときの感覚を脳が予測するのだそうです

手が動く前に

脳はコップを持った時に感じるであろう重量感、手にかかる圧迫感、触感など、筋肉を通じて生じる感覚をを予測しているのです!

そしてその後

脊髄の反射弓がはたらいて勝手に動作をおこす!

反射って無意識に起こる反応なのですが

運動することは達成されたときの感覚を予測することで

コップを持ったり、ペンを持つのも最終的には反射

運動ってあえて正確にいうと

脳の予測運動から始まる反射

ということが分かってきているのだそうです

ってことは

反射には手を出せないので

予測脳が肝心!ということになります

この予測は

動作を変えていくこと、繰り返していくことで変化していくと思うので

動作の経験を増やしていくことで

脳の推測の仕方が変わると思うのです

 

脳の予測は共感につながる

最後に

他者とのコミュニケーションも脳の推測によって成り立つ、という話。

脳にはミラーシステムという働きがある

それは

笑顔の人を見ると、自分がそれをまねて思わず笑顔になり

その時に生じる自らの身体感覚に何らかの変化が生じる

それを感じるのと同時に

「ああ、おそらくこの人も同じ身体感覚を持つのだろう」

と脳で予測して

今、目の前の人も自分と同じ身体感覚を持っているんだ、と共通点を見出す。

つまり

身体感覚があるから

脳が推測することが出来るから

ミラーシステムという共感がはたらくのですね

 

脳の働きがわかると

さらに自分を知ることになる

そこに

何だかワクワクするような喜びがあります